2つの考え方は、それぞれ〈需要側〉と〈供給側〉という2つの考え方を背景にしている。
そこでここでは、〈供給側〉と〈需要側〉という2つの考え方に基づいて、財政出動の意味を検証するとともに、実際に財政出動はどうあるべきかを考えてみよう。
なお、財政出動を行うには、税金や国債発行などによって財政資金を調達することが必要となる。
このような財源調達の意味については、ここにおいて解説しよう。
公共財の供給公共部門は民間部門では提供されない、あるいは提供しにくい、公共施設や公共サービスを供給することを要請される。
このようなものとして、道路、橋、空港、公園、警察、消防などが公共部門において供給されてきた。
また、所得水準によらず絶対に不可欠なものとして、初等.中等教育や水道事業が公共部門において行われ、ガスや電力も政府の強い規制下に置かれている。
このとき、どれが民間では提供できない、あるいは提供しにくいものであるかということには、議論の余地がある。
長い間公共部門によって行われてきた郵便事業は、近年になって急成長を遂げている民間の宅配便と競合関係にあり、また、これまでも大部分が民間部門によって供給されてきた住宅建設までもが、長い間住宅都市整備公団によって行われ、公共部門の一部となっていた。
さらに、かつては鉄道や電信電話からたばこや塩までが、公共部門で供給されていたのである。
公共部門の民営化は、日本に限らずイギリスやフランスなど世界各国でも、大きな流れとなっている。
実際、かなりの分野で、コスト意識や効率意識の低い公共部門で事業を行うよりも、これらの意識の高い民間部門に任せた方が、低いコスト、少ない人数で効率よく行うことができるであろう。
よく指摘されることだが、公共部門がいかに予算をとり、いかに予算を拡大するかで腐心しているのに対して、民間部門はいかに低い予算で売り上げを伸ばすかという発想で動いている。
したがって、貴重な資源を効率よく使うためにも、公共部門の活動は、民間ではどうしても利益を上げられないような活動や、生産技術の性質から民間の自由な競争に任せれば、独占企業になって十分な量の供給ができなくなるようなものに、限定すべきであるということになる。
このようなものとしては、警察や消防、国防などがあるかもしれない。
もっとも最近では、警備保障会社も充実しているし、アメリカでは刑務所まで民営化している州もあると聞く。
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